2022年4月18日静岡の茶市場で「新茶初取引」が行われました。
「新茶初取引」は、新茶シーズンの幕開けとなる節目のイベントです。
毎年注目があつまる「最高値」ですが、今年は一体いくらだったのでしょうか?
結果は「史上最高の値段」が付き大きな話題になりました。
2022年の新茶初取引で「史上最高値」を記録
2022年の静岡茶市場の初取引では、市場最高値となる「196万8000円」という値段が付きました。
このお茶は、富士宮市で生産された「手摘みの手揉み茶」で、出品したのは今年の4月に発足したばかりの「JAふじ伊豆」です。「JAふじ伊豆」は、静岡県東部の8つの農協の合併で誕生しました。
私自身が現場にいたわけではありませんが、集めた情報によると「茶寿の108歳」にかけた「108万円」に、「JAふじ伊豆」が8つの合併で誕生したこと、さらに新茶に欠かせないキーワード「八十八夜」も絡めた「88万8000円」を乗せた合計で「196万8000円」という値段が付いたそうです。
当店に来店されたお客様と「どんなお茶なんだろうね?一度は飲んでみたいね。」と話題になりましたが、私も全く同じ気持ちです。
値段が付く単位は基本的に「1kgあたりいくら」
ちなみにこの金額は「茶葉1kgあたり」についた値段です。
基本的に、お茶の取引では「1kgあたりいくら?」という取引が主流です。
収穫状況や取引関係によっては「合計○○kgでいくら?」の取引もありますが、お茶の価値を測る基準となるのは「1kgあたりの値段」です。「合計量(○○kg)x1kgあたりの値段」で計算されています。
小売店の場合は「100gあたりいくら」
これが私たちのような小売店になってくると、お客さんの購入規模に合わせて「100gあたりいくら」という基準を使うことが多いです。
店頭では100gや200gのパッケージで販売しているので「200gで1000円」ならば「100gあたり500円のお茶」というわけです。
野暮な計算ですが、先ほどの2022年の最高値のお茶を換算してみると、「1kgで196万8000円」ですから「100gで19万6800円」となります。急須で淹れる状況を考えてみても「10gで1万9680円」と約2万円です。数人でシェアしたとしても「一杯数千円」のお茶という計算です。
ここまで計算してしまうのは、やりすぎでしたね。
業界の希望と期待が込められている
つい金額の話題に注目されがちですが、具体的な数字よりも大事なことがあります。
「日本茶に注目が集まり盛り上がって欲しい」という業界全体の希望が込められているはずです。
同じ茶業に携わる身として強く共感しています。
私も一緒にがんばっていきたいと思っています。
以上、2022年の「新茶初取引」で注目された「史上最高値」の話題を紹介しました。
自然の恵みと農家さんのおかげ
静岡でいよいよ幕開けとなった新茶シーズン。
年に1度の「旬」の時期として日本茶の最盛期を迎えますが、美味しいお茶が飲めるのは、この時期だけの功績ではありません。
年間を通して「自然」と「茶農家さん」が育ててくれたからこそ、私たちは毎年、美味しいお茶に出会えるのです。
そんな「美味しいお茶になってほしい」という農家さんの想いも受け継いで、新茶を届けたいと思っています。
今年の新茶の販売開始まで、もう少しお待ちください。
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